フィギュアスケートの主要国際大会の一つである四大陸フィギュアスケート選手権(以下、四大陸選手権)。
毎年日本人選手が活躍するこの大会ですが、
そもそも”四大陸”とはどこの地域を指しているのでしょうか?
そしてロシア人選手が出場していないのはなぜなのでしょうか?
今回は四大陸選手権がどういう大会なのかという事に関するお話です。
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四大陸フィギュアスケート選手権の”四大陸”ってどこの地域のこと?
フィギュアスケート四大陸選手権というのは、その名の通り四つの大陸の国の代表選手が出場する国際大会です。
その四大陸というのは、アフリカ、アジア、アメリカ(北中南米)、オセアニアの四大陸です。
なのですが、アフリカやオセアニア、中南米といったフィギュアスケートが盛んではない国々からの出場者はごく少数なので出場選手はアジア(とくに東アジア)と北米の選手が大半を占めています。
でもそれならいっそのこと、ロシア人とかも出場させた方が大会が盛り上がるのでは?
と思った方もいるでしょう。
ですがロシアはロシアで、ヨーロッパNo.1を決めるヨーロッパフィギュアスケート選手権(以下、ヨーロッパ選手権)に出場しているんです。
強豪国をエリア分けして競わせる意味があるのかな?と思う人もいるかもしれませんね。
しかし四大陸とヨーロッパが別れて試合をする意味もちゃんとあるんです。
その鍵を握るのがヨーロッパ選手権です。
ロシア選手が出場するヨーロッパ選手権とは?
ヨーロッパ選手権とは名前の通りヨーロッパの諸国のフィギュアスケート選手が出場する大会です。
ロシアはヨーロッパに属しているのでコチラに出場します。
このヨーロッパ選手権は世界選手権やオリンピック以上に歴史は古く、フィギュアスケートの国際大会では最も伝統ある大会と言われています。
もともとこの伝統ある大会があったのに対し、他の地域には同等の国際大会がありませんでした。
しかし、アメリカや日本など他地域でも次々と優秀な選手が現れるようになり、ヨーロッパ選手権と同じ規模の大会を開催しようということで1999年から四大陸選手権が始まったんです。
ちなみに両大会とも国際スケート連盟の公式試合であり、出場選手には成績によって世界ランクポイントが加算されます。
なので、よほどのことが起きない限り、どちらかの大会が存続する限りもう一方の大会も存続していくと思われます。
ところでヨーロッパ1大陸と4大陸ではアンバランスな感じもしますが、フィギュアスケートの発祥はヨーロッパなので、出場国数を考えるとバランスが取れているというか、むしろヨーロッパの方が多いくらいです。
ちなみに四大陸選手権は出場国に代表枠3枠が与えられるのですが、ヨーロッパ選手権の方は前年の出場者の成績によって出場枠が1~3枠で変動します。
それほど欧州の方が出場国が多いということです。
四大陸選手権とヨーロッパ選手権を分けるメリットは?
世界をヨーロッパとヨーロッパ以外の地域に分けて大会を行うのにはメリットがあります。
それは世界選手権に出場できない選手が大きな国際試合に出場できるということです。
フィギュアスケートの国際大会では出場資格を得る基準となるミニマムスコアが大会によって設定されています。
世界選手権はそのミニマムスコア(最低技術点)が最も高く、フィギュアスケート後進国の選手が出場するにはハードルが高い大会です。
また、グランプリシリーズは前年の世界ランキングも出場条件に加わるため、こちらも高いレベルの選手でないと出場できません。
それらに比べると四大陸選手権やヨーロッパ選手権は出場できる水準がワンランク下がります。
そのため、世界選手権には出られないレベルの選手が、世界のトップクラスの選手たちと同じ大会に出場できる、大規模な大会と言う意味で四大陸選手権やヨーロッパ選手権はとても重要な大会だといえるんです。
フィギュアスケート後進国が大きな大会に出場することは、フィギュアスケートというスポーツをPRすることにもなるので、競技人口を増やす上でもとても重要ですよね。
またフィギュアスケート強豪国の選手たちにとっても世界選手権に出られなくても実力ある選手を出場させられるというメリットもあります。
ビジネスの面においてもスター選手が出場する国際大会が多いほどお金が動くので、四大陸選手権、ヨーロッパ選手権、世界選手権と分かれている方がメリットが大きいですよね。
もちろんファンにとっても大きな試合がたくさんある方が嬉しいですよね。
結論:四大陸選手権にロシアが出ないほうがメリットが多い
前述のとおり、世界を二つのエリアに分けて国際大会を行うことにはメリットがたくさんあることがおわかりいただけたと思います。
ロシアの選手がヨーロッパ選手権に出場することで、日本人が四大陸選手権で盛り上がるのと同じ様にヨーロッパの人々がヨーロッパ選手権で盛り上がることができます。
さらに世界選手権では欧州王者VS四大陸王者という見どころもできますよね。
ということで、四大陸選手権にはロシア人選手が出場しませんが、そのぶん世界選手権もより一層盛り上がりますし、四大陸選手権にしかない闘いも見られるので、下位選手などにも注目してう四大陸選手権を楽しんでみてはいかがでしょうか?