オーストラリア各地で2019年9月から燃え続けている山火事。
2020年1月14日現在で27人以上の犠牲者をだし、野生動物10億匹以上が犠牲になっていると言われています。
オーストラリアの森林火災で深刻なコアラへの被害
Embed from Getty Images今後も鎮火までに数ヶ月を要すると見られている
今回のオーストラリアの山火事。
とくにコアラへの被害は深刻で、
コアラが多く生息するニューサウスウェールズ州では
8000頭(全体の30%)のコアラが犠牲になったと報じられています。
このまま火災が長引けば
残念ながら更に犠牲となるコアラは増えてしまいます。
関連:犯人多数!オーストラリア森林火災の原因は身近な行為だった!
コアラはじっとしているだけじゃない!実は足が速い
火の手が迫れば人間も動物も炎から逃れようとするのは当然です。
コアラだって日頃は木の上でぼーっとしているイメージですが、
実は早く走る能力もあるんです。
この動画のようにコアラって実は意外と機敏に動けるんです。
これだけ走れれば、
火の手が迫ってきても
なんとか逃げられそうな気もしなくないですよね。
ちなみにコアラは木から木へと移るときに
地上を駆け抜けて危険を避けるのだそうですが、
それならばなおさら、
火災という非常事態下で彼らの走力は役立ちそうな気がします。
コアラが走れるのに火災から逃げられない理由
危険なときは走れる能力のあるコアラなのに
森林火災で多くの犠牲が出ているのには理由があるんです。
コアラが逃げられない理由①ユーカリは非常に燃えやすい
Embed from Getty Imagesコアラの主食兼生活スペースはユーカリの木です。
このユーカリの木は
テルペンという引火性物質を放出する性質があり、
油分も多く樹皮も非常に燃えやすいのです。
テルペンは気温が高くなると放出量も増えるので、
オーストラリアでは毎年のように
ユーカリの自然発火による山火事が起きています。
そんなユーカリの木にひとたび引火すれば
炎は瞬く間に木を覆い尽くします。
コアラが逃げられない理由②ユーカリの木の上でしか生活できない
コアラは基本的にユーカリの樹上でしか生きられません。
そしてユーカリの木の上でじっとしていたり
眠っているのには理由があります。
それは主食のユーカリに含まれる栄養分が少ないうえに
体内で分解するのに非常にエネルギーを要するため
コアラは一日の大半を省エネモードで過ごす必要があるからです。
炎が近づいてきても
省エネモードで生活するコアラが
遠くに移動することはできません。
コアラが逃げられない理由③動きすぎると病気になる
Embed from Getty Images省エネで生活しないといけないコアラですが、
運動しすぎると「消耗病」という病気にかかる恐れがあるのだそうです。
消耗病とはエネルギーが不足してしまうコアラ特有の病気で、
ひどい場合には死んでしまうんだとか。
つまりコアラにとって、木から木へと走って移動する行為は
ヘトヘトになるくらいの運動量に相当するわけで、
「火事が来たから隣の森まで逃げよう」なんていうことは不可能なのです。
コアラが逃げられない理由④木から下りても地面が燃えている
オーストラリアの森林火災は地面を火がつたい、
ユーカリの根本から上へ向かって燃えているようです。
コアラが命からがら木から下りても
そこに待ち受けているのは
燃えている地面か焼け野が原です。
ここで逃げ場を失い命を落とす場合もあります。
保護されたコアラも命の危機はつづく
Embed from Getty Images保護されたコアラの多くが
手足やお腹、腹、顔などのやけどに苦しんでいます。
症状が重い場合、回復を待たずして命を落としたり、
回復の見込みがない場合には安楽死させられます。
また回復したコアラも住処を失っているため、
以前のような生活を取り戻すことは容易ではありません。
ニューサウスウェールズ州にある
救出されたコアラを収容する
「コアラアーク」と言う施設の建設や
野生のコアラの繁殖をおこなうプロジェクトが始動しました。
これらは世界中の人々からの寄付金によって行われるそうです。
また、現在焼け跡で生き延びている
コアラたちの飲水ステーションの設置にも
寄付金が役立てられています。
もしあなたもコアラ病院に寄付したい場合は
GoFoundMeというクラウドファンディングサイトから寄付できます。
5豪ドル≒380円から寄付可能です(Donate nowのアイコンから寄付ページに飛びます)。
また、現金を寄付する以外にも方法があります。
日本ではロッテが「オーストラリア・コアラ基金」に参加しており、
コアラのマーチをはじめとするロッテ商品の売上の一部を
コアラのために寄付しているそうです。
コアラや動物たちが一匹でも多く救われますように。