2020年後期の朝ドラ「おちょやん」。
現在はヒロイン・千代が働く芝居茶屋「岡安」が物語の中心となっています。
その「岡安」の一人娘みつえは「いとさん」と呼ばれています。
その呼び名の由来について調べてみました。
岡安の一人娘・みつえの愛称は「いとさん」
芝居茶屋・岡安の女将・シズ(ごりょんさん)と主人・宗助の一人娘がみつえです。
みつえは周りの人間から「いとさん」と呼ばれていますね。
同い年の千代が名前で呼びかけようものなら、即刻みつえ本人が「いとさんや」と訂正します。
それほどみつえ自身も”いとさん”という呼び名にこだわっていることが伝わってきます。
しかし、みつえという名前といとさんという愛称は全く共通点がありませんよね。
ではなぜみつえは「いとさん」と呼ばれているのでしょうか?
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みつえが”いとさん”と呼ばれるのはなぜ?意味や由来は?
「いとさん」というのは関西弁の呼称です。
いとさんの語源は「愛しい人(愛様)」。大阪・船場の商人たちは商家の娘(主に長女)を「いとさん」と呼んでいました。
現在でも関西地方では良家のお嬢さんを「いとさん」「いとはん」と呼ぶ地域があるそうです。
ちなみに長女が「いとさん」なら次女以下が気になりますよね?
二人姉妹の場合は次女(末娘)は「こいとさん=小いとさん」となります。
3姉妹の場合は、「いとさん」と三女(末娘)「こいとさん」の間に挟まれた次女を「なかいとさん=中いとさん」と呼びます。
4姉妹の場合は三女までが3姉妹と同様で、四女(末娘)「こいこいさん」と呼ぶようです。
可愛らしい呼称ですよね。
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みつえが”いとさん”呼びにこだわる理由とは?
みつえは千代が名前で呼ぶのを嫌がります。
その理由の一つは身分の違いでしょう。
千代は奉公人であり、みつえは奉公先のお嬢様ですから、上下関係が存在します。
いくら同い年だからといっても、自分のほうが立場が上であるということを千代に徹底させたかったのでしょう。
そしてもう一つの理由がみつえの覚悟ではないでしょうか?
みつえは女手一つで「岡安」を切り盛りしてきた祖母のハナと、ハナの意思を継いだ母のシズを尊敬しており、自分も祖母や母のように芝居茶屋の立派な女将になりたいという夢を持っています。
つまり、みつえにはこれからは自分が岡安を支えていくという強い思いがある。
だからこそ、岡安の一人娘という誇りがあるから「いとさん」と呼ばれることに対してとても強いこだわりを持っているのではないかと感じます。
しかし、物語では今後、芝居茶屋がなくなるかもしれないという時代が描かれていきます。
いとさんは”芝居茶屋・岡安”を継ぐことができるのでしょうか?
今後の展開に注目です。
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女将・シズの”ごりょんさん”の意味は?
岡安の女将・シズの呼び名の”ごりょんさん”の意味もご紹介しておきます。
ごりょんさんもまた、船場商人の間で使われていた呼称です。
語源は「御寮人」。つまり位の高い家の人、もしくはその家のむすこや娘を指しています。
その意味が転じ、船場商人は良家の娘や若奥さんに「ごりょんさん」という呼称を使うようになったそうですよ。
大女将・ハナの”おえさん”の意味は?
宮田圭子さん演じる大女将・岡田ハナは”おえさん”と呼ばれています。
”おえさん”の意味についても調べました。
おえさんも船場で使われてきた呼称です。
漢字で書くと「お家さん」。
船場では”おえさん””おえはん”などと呼ばれていました。
おえさんとは店の主人(だんさん)の母という意味の言葉です。
ちなみに、おえさんに対して、だんさんの父は”おやだんさん”と呼ばれます。