大河ドラマ「麒麟がくる」で豊臣秀吉(藤吉郎)を演じている佐々木蔵之介さん。
演技派俳優なだけあって初登場シーンから存在感を存分に発揮しています。
しかし、そんな佐々木蔵之介さんが演じる藤吉郎(のちの秀吉)に違和感を抱く人が多数いるというのです。
その理由とは?
大河「麒麟がくる」で豊臣秀吉を演じるのは佐々木蔵之介
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で豊臣秀吉を演じているのは佐々木蔵之介さんです。
近年落ち着いた役やダンディな役を演じることの多い俳優さんですが、若い頃の秀吉(藤吉郎)は陽気で滑稽なキャラクターであり、佐々木蔵之介さんの新たな一面が見られるのが魅力です。
今後、明智光秀のライバルとなり、みるみる出世していく様子をどのように演じていくのか気になるところです。
佐々木蔵之介は豊臣秀吉が合ってない?世間が抱く違和感とは?
「麒麟がくる」はこれまでの戦国武将のイメージをいい意味で裏切る面白いキャスティングがなされています。
例えば織田信長役の染谷将太さんは、ベビーフェイスで雰囲気も柔らかいので、人々がイメージする冷酷無比な信長とはイメージが全く異なります。
染谷さんは演技力で世間の評判を覆しましたが、やはりファンが多い戦国時代なだけに、役者がキャラクターにハマるかハマらないかは、作品の評価に何気に影響を与える可能性があります。
話を戻しますが、佐々木蔵之介さんが演じる豊臣秀吉という日本人なら誰もが知っているであろう超偉人に違和感を抱く人が少なくないようなんです。
佐々木蔵之介さんと豊臣秀吉はどういう点が”合っていない”のでしょうか?
違和感①サルじゃない!イケメンすぎる
豊臣秀吉が幼少期より「サル」というあだ名で呼ばれていたことは有名な話です。
記録によると秀吉は目がギョロッとして色黒で低身長で決してイケメンとは言えない容姿だったんだそう。
では、佐々木蔵之介さんはというと…
どう見てもイケメンですよね。
顔もいいし長身でスタイルもカッコイイです。
佐々木蔵之介さんのイケメン度については、日本を代表するイケメンばかりを集めたの写真集「悪い男」(蜷川実花撮)に出演されるくらいですから、日本の女性が認めたハイスペックな大人の男性ということです。
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過去に別の作品で秀吉を演じた俳優さんは小日向文世さんや大泉洋さんなど個性派俳優さんが多かったので、佐々木蔵之介さんがイケメンなことが不自然だと思われるのも仕方ないのかもしれません。
出演者に”サル”が多いのになぜ佐々木蔵之介?
「サル」というとぴったりの出演者がいますよね?
そう、菊丸役の岡村隆史さんです。
小柄でサル顔ですばしっこくて滑稽キャラの岡村さんとシュッとした男前の佐々木蔵之介さんなら秀吉度は断然に岡村さんでしょう。
あと岡村菊丸の方が藤吉郎のイメージっぽくて、少々脳がバグってしまう(笑)
— SHiNji (@shinji_rgm79) April 19, 2020
佐々木蔵之介の成り上がり物語も楽しみだけどね#麒麟がくる
「あれ?どっちがサル?」と混乱する気持ちもわかります。
さらにいうと、東庵先生役の堺正章さん(代表作:西遊記の孫悟空役)も年齢が離れているもののサル度の高さで言えば岡村さんと張り合えるレベルです。
もっというと、イケメン枠ではありますが斎藤道三役の本木雅弘さんも90年代に西遊記で孫悟空を演じています。
偶然にも日本屈指のサルキャラが出揃っているこのドラマで敢えての佐々木蔵之介さんがサル役というのはなんとも奇妙に感じるのかもしれません。
違和感②年齢が違いすぎる
佐々木蔵之介さん初登場のシーンの藤吉郎は15才の設定です。
少年を演じる52歳の佐々木蔵之介さん。
それは違和感ないほうがおかしいか・・・。
秀吉よりも2、3歳年上の信長よりもだいぶ大人に見えます。
物語が進んでいくにつれ、その違和感もどんどん埋められていくでしょうから、年齢の違和感は最初のうちだけかと。
ただ、今の時点では明らかに10代半ばには見えないので、ストーリーの中に年齢を感じさせるようなシーンを組み込んでいただかないと、落ち着きのないおじさんのようにも見えてしまいます…。
違和感③隠しきれない育ちの良さ
秀吉は貧しい農民から天下人になった人物です。
上流階級のように礼儀作法や所作を身に着けていたわけでもないし、一説では読み書きもままならなかったと言われています(ドラマでも読み書きを独学していましたね)。
一方の佐々木蔵之介さんは京都の洛中に残る唯一の造り酒屋(佐々木酒造)に生まれたお坊ちゃんで、学歴に関しても洛南高校-東京農業大学農学部-神戸大学農学部(編入)とインテリ街道を歩んできました。
そんな秀吉とは対象的な佐々木蔵之介さんが泥まみれにメイクをして木に登っていても品の良さが隠しきれていないと感じている人もいるようです。
佐々木蔵之介の秀吉じゃ品が良すぎる#麒麟がくる
— ぱゑぱゑ (@palpalko_) April 5, 2020
違和感④名古屋弁を喋らない
秀吉といえばコテコテの名古屋弁のイメージが強い人が多いのではないでしょうか?
近年ですと「真田丸」の秀吉(小日向文世さん)も”みゃあみゃあ”と名古屋弁を話していて印象的でした。
これに対し、佐々木蔵之介さんの秀吉は標準語的な口調です。
このドラマは名古屋弁も三河弁も京言葉もあえて封印して、セリフを理解しやすい演出がなされています。
関連:「麒麟がくる」関西弁を使わない違和感!なぜ方言を封印するのか?
だからこそ秀吉が方言を喋る必要はないのですが、秀吉のキャラクターを際立たせるという意味では方言は効果的だと思います。
秀吉の方言に慣れてしまっている人からしたら、容姿以上に言葉遣いが違和感となるのかもしれませんね。
佐々木蔵之介は秀吉っぽくないから起用された?
佐々木蔵之介さんは「麒麟がくる」の秀吉についてこのように語っています。
今残っている歴史や語り継がれているものは、信長、秀吉、家康などの勝者から見たもので、今回描かれるのは明智光秀から見た歴史だと思います。すると当然、藤吉郎というか秀吉像はこれまでと変わってくるはずなので、そこを楽しみにしています。
https://www.nhk.or.jp/kirin/cast/17.html
このドラマの主人公は敗者である明智光秀です。
見る人の視点によって正義と悪は入れ替わるし、関わる人々の性格(捉え方)も変わってきます。
そういう意味で、秀吉や信長の既存のイメージを覆したいという制作側の狙いがあるのではないでしょうか?
また「麒麟がくる」は令和時代に始まった最初の大河ドラマですから、なおさら既成概念に縛られたくないという思いもあるのかもしれません。
そう考えると佐々木蔵之介さんの秀吉はキャスティングミスではなくミスだと思わせることが狙い通りなのかもしれませんね。
信長が染谷将太さんで良かったと思えたように、秀吉が佐々木蔵之介さんで良かったという場面が今後見られるはずです。
今は違和感満載ですが、その時を期待して待ちましょう。