本日フィギュアスケート全日本選手権2019が開幕します。
今シーズンは羽生選手の4年ぶりの出場や、紀平選手の4回転挑戦など、注目度が一層高まっていますが、目玉の一つが熾烈な女子のトップ争いではないでしょうか?
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そんな女子シングルの表彰台候補に名を連ねるはずだった選手が今年はいません。
そう、三原舞依選手です。
体調不良で今シーズンの試合を棄権している三原選手、現在の体調は?
休養中の三原舞依 2019-2020シーズンこれまでの流れ
三原舞依選手は昨シーズンの全日本選手権でトータルスコア220超えの4位となり、四大陸選手権では銅メダルを獲得しました。
なめらかで美しいスケーティングに加え、表現力も格段に成長を見せており、2019-2020シーズンのさらなる飛躍を期待していたファンも多いと思います。
そんな三原選手ですが、今シーズン開幕前から体調を崩し、試合に出られない日々が続いています。
三原選手の今シーズンの動向を振り返ってみましょう。
・オフシーズンにアイスショー、スターズ・オン・アイス(4月)とファンタジー・オン・アイス(6月)に出演。
このころから”痩せたのでは?”とファンが心配し始める(この当時の三原選手↓)。
・6月下旬にフリープログラムの振付のためローリー・ニコルの元へ
・7月25日に8月のアイスショー”THE ICE”の出演キャンセルをアナウンス。
・同じく8月開催のげんさんサマーカップを棄権
当時の中野コーチのインタビュー
「少し良くなってきているが、体力がなくて食欲があまりない状態。入院したりはしていないが、まだお医者さんのOKが出ないので。今無理するのはよくない」「(10月の)近畿大会に間に合うように頑張りたい」
https://www.daily.co.jp/general/2019/08/14/0012607125.shtml
・9月のチャレンジャーシリーズ・ロンバルディア杯を棄権
・10月18日にSNSにて近畿選手権とグランプリシリーズ・スケートカナダの棄権を直筆メッセージで公表
・10月、グランプリシリーズ中国杯棄権も発表。
・11月の中野コーチインタビューで入院が発覚
「私が(遠征=GPフランス杯に)出てくる時は、まだ入院していましたので。帰って話を聞いてみないと、ちょっと分からない。薬も変えたという話ですので、それがどういう風になっているか分からないですけれど。でも、良い方向に向かっているという感じではあるので。今の状態としては、別に拒食ではなく、体が栄養を吸収しないんだそうです。みなさんが『痩せた』って心配してくださっているけれど、ちゃんと食べてはいる」
引用:日刊スポーツ
・12月全日本選手権棄権
三原舞依の体調不良は難病「若年性特発性関節炎」が原因?
三原舞依選手はシニアデビュー直前の2015年末に「若年性特発性関節炎(若年性リウマチ)」を患い、入院生活を余儀なくされました。
三原舞依を襲った若年性特発性関節炎とは?
若年性特発性関節炎とはその名の通り若年層(16歳未満)に起こる6週間以上続く関節炎で、原因は分かっていません。
症状としては関節痛や関節の腫れ、リンパの腫れ、発熱、皮疹など。
この病気にかかると一般的には運動を制限されるそうですから、
トップレベルで活躍アスリートにとってはいかにつらい病気であるかがわかりますよね。
三原選手は一時は歩くこと困難だったと言いますが、この病気と向き合い、競技会に出られるレベルまで努力し続けました。
その結果、復帰のシニアデビューシーズンでいきなり四大陸選手権優勝、世界選手権5位の「シンデレラガール」になったことは多くの人が知るところでしょう。
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三原舞依の難病は完治したのか?
三原選手はその後も若年性特発性関節炎と付き合い続けています。
病を乗り越えシンデレラのようにシニアデビューを果たした翌シーズン以降も、通院を続け、薬を服用し、日々変わる体調と相談しながら練習を続けるという日々のようです。
若年性特発性関節炎にはいくつかのタイプがあるようで、三原選手がどのタイプなのかは分かりかねますが、その分類によって完治率は20%~80%程度のようです。
ただしどのくらいの期間で完治する、どのような性質の人が完治するという具体的ことは明らかになっていません。
ですので、三原選手の場合も、おそらく病気は現在進行形だと思われます。
いつ治るのかということについては、私たちはもちろん、本人もお医者さんもはっきりとはわからないのかもしれませんね。
三原舞依の激痩せや入院は若年性特発性関節炎が原因?
中野コーチのインタビューによると三原さんの現在の状態は、食事をしても体内に上手く栄養が吸収されないのだそうです。
そのために急激に体重が落ちていったのでしょう。
この激痩せに関しても、入院に関しても、若年性特発性関節炎がどの程度関係しているのかは分かりません。
若年性特発性関節炎が悪化したのかもしれませんし、この病気に付随して引き起こされるような病気があるかもしれません。
または薬の副作用なのかもしれませんし、メンタル的なことも影響しているのかもしれません。
これに関してははっきりと情報が公表されていないため、私たちが軽はずみに推測したり断言できる問題ではないと思うのでこれ以上の言及は控えます。
三原舞依の現在の健康状態は向上してきている
そして気になる直近の三原選手の健康状態についてです。
中野コーチが全日本選手権前のインタビューで語っていたことによると、三原選手は現在は退院して、少しずつ体力も戻ってきているようです。
氷に乗る機会も徐々に増やしているそうですよ。
中野コーチの言葉を引用すると
「たぶん今ゆっくり休んで、きっと出来るトレーニングをして着々と準備をしていると思うので、来年には坂本にとって怖い存在になるんじゃないかな。心は、もっと強くなってると思う。」とのこと。
来シーズン(2020-21)の復帰は可能?→追記:復帰しました!
中野コーチの発言から察するに、三原選手もチームも来シーズンの復帰を目指して動いているようですね。→復帰できました(下記参照)
おそらくお医者さんの意見なども参考にした上での発言でしょうから、来シーズン(2020-2021シーズン)復帰の可能性はあると思います。
ですが、先程申し上げたように、若年性特発性関節炎は必ず計画的に治療できるというものではないので、もし今の体調不良がこの病気によるものならば、来シーズンの復帰も確約されるものではないでしょう。
追記:三原選手が2020-21シーズンに復帰!体調面・技術面は大丈夫?
2020-21シーズンに三原舞依選手が試合に帰ってきました。
地方大会から順調に勝ち進み、ついに全日本の舞台に戻ってきます。
先月のNHK杯でも4位という好成績を修めました。
体型を見るとまだ体重も戻っておらず、今もまだ心配になるほど細いのですが、肝心の技術面、つまり三原選手の世界トップレベルのスケーティング技術と美しいジャンプの流れは維持していましたし、表現の面においては休養前よりもさらに滑らかさが増しているように感じます。
細かい回転不足やPCS評価でスコアはいぜんよりも伸びてはいないものの、おそらく三原選手なら調整できる範囲ですし悲観する要素はないのではないでしょうか。
ここまで来るのにどれほど大変だったのでしょう。
そして試合に出れるようになった今でも病気と付き合いながらの練習は相当キツイと思われます。
ここまでの道のりを乗り越えた三原選手の精神力たるや、フィギュアスケート界でも金メダル級ではないでしょうか。
おわりに三原選手の世界屈指のスケーティングが堪能できる動画をご紹介しておきます。
三原選手のスケート技術に注目したことがなかった方は一度ご覧ください。無駄な音がせず、ぐんぐんと加速していきます。
2020年全日本選手権の三原選手の滑りにも注目ですね!