2019-2020シーズンはロシアの天才少女たちのシニア参入により、女子シングルの新時代が到来しました。
トリプルアクセルや4回転ジャンプという高難度の技がないと勝てなくなっているのです。
というわけで、2019-2020シーズン現在でトリプルアクセルを跳べる女子選手をまとめてみました。
トリプルアクセル(3A)を試合で成功させた女子選手たち
Embed from Getty Images2019年現在でトリプルアクセルを試合(ISU公式戦)で認定させている現役選手(回転不足含む)を、紹介します(国内大会等の非公式戦は含みません)。
- エリザベータ・トゥクタミシェワ選手(ロシア) /2015年世界選手権
- 紀平梨花選手(日本)/2016年ジュニアGPスロベニア大会
- 長洲未来選手(アメリカ)/2017年USインターナショナルクラシック
- アリサ・リウ選手(アメリカ)/2018年アジア・トロフィー
- アリョーナ・コストルナヤ選手(ロシア)/2019年フィンランディア杯
- ユ・ヨン選手(韓国)/2019年GPスケートカナダ
- 河辺愛菜選手(日本) /2020年ユースオリンピック
ちなみに、引退した選手たちはこちら。
- 伊藤みどりさん/1988年GPSNHK杯
- トーニャ・ハーディングさん/1991年世界選手権
- リュドミラ・ネリディナさん/2002年GPスケートアメリカ
- 中野友加里さん/ 2002年GPスケートアメリカ
- 浅田真央さん/ 2005年世界ジュニア選手権
こうやって見るとトリプルアクセルの歴史は日本女子の歴史と言っても過言ではないですね。
女子初成功とオリンピック初成功の偉業は伊藤みどりさんが、オリンピックでSP、FS合わせて3回のアクセルジャンプを決めたのは浅田真央さんだけです。
紀平梨花選手は公式戦史上初めて3A-3Tのコンビネーションを成功させています。
それにしても2015年以降の成功者の増え方がすごい!
ISU非公認大会で3Aを決めている選手たち
国内試合などのISU非公認の大会ですでにトリプルアクセルを決めている選手もいます。
- 竹内すい選手/2018年1月インターハイ(16歳)
- 吉田陽菜選手/2018年8月げんさんサマーカップ(13歳)
- 細田采花選手/2018年10月近畿選手権(23歳)
- 横井きな結選手/2018年11月西日本選手権(13歳)
- ソフィア・アカチエワ選手/2019年9月モスクワオープン(12歳1か月※史上最年少)
- ソフィア・サモデルキナ選手/2019年10月プルシェンコ杯(12歳)
若い選手が目立ちますね。
最年少のアカチエワ選手はまだノービスクラスの選手ですよ。
一方で20歳すぎてから成功させた細田采花選手はすごいですよね。
世界のシニア選手を勇気づけたのではないでしょうか?
そしてこちらの成功者も日本人選手が多いですね。次に公式認定されるのはどの選手になるのか?
トリプルアクセルに挑んでいる選手や練習中の選手はたくさん
トリプルアクセルに試合で挑んで失敗ている選手も、現在習得中の選手もたくさんいます。
トリプルアクセルは細田選手のように成長期が過ぎた選手でも習得可能なジャンプなので、一度習得すると息の長い武器になると考えられているのでしょう(4回転に関してこの点はまだ未知数ですね)。
ちなみに、確実に発表されているわけではありませんが、4回転モンスターことトゥルソワ選手もトリプルアクセルを成功させたのでは?という噂もあります(3A成功のご褒美にママにトイプードルをプレゼントしてもらう約束をしていたのですが、そのトイプーを飼い始めたので)。→トゥルソワ選手、3A跳べるようになりました(2019/11/24)。
もしトゥルソワ選手が3A成功しているならGPFでまさかの投入もありえなくはないのでは?!
そんなトゥルソワ選手曰く「4回転よりトリプルアクセルのほうが難しい」ということですから、トリプルアクセルってもっと評価されても良いと思うんですけどね。
トリプルアクセルは4回転じゃないのになぜ重視されるのか?
トリプルアクセルは3回転半ジャンプです。
4回転ジャンプよりも半回転少ないですし、基礎点も低い。
それなのになぜ女子選手はトリプルアクセルの習得を目指すのでしょうか?
シニア体型でも跳べるジャンプ
まず1つ目は体型の問題。
先程も触れましたが、トリプルアクセルはシニア選手からでも習得が可能なジャンプです。
そして安定した技術を手に入れれば、トゥクタミシェワ選手のように女性的な体型の選手も、長く跳び続けられる可能性があります。
一方の4回転ジャンプについてですが、おそらく現時点では女子選手は小柄でなければ難しいと考えられているような気がします。
シニアに入って初めて4回転を成功したトゥルシンバエワ選手もいますが、彼女は成長期が過ぎたといえ、小柄で華奢でジュニア選手の体型と変わりません。
トゥルソワ選手やシェルバコワ選手が数年後、成長期を乗り越えてもなお4回転を跳べるのであればシニア選手挑戦する選手も急激に増えるかもしれませんね。
現行ルールではSPに4回転を組み込めない
女子シングルのルール上、現在はSPに4回転ジャンプを組み込むことはできません。
つまり、もっとも高難度のジャンプは3Aであり、SPで3Aを決めれば大きくリードできます。
4回転を跳ぶ女子選手が増えているので、今後ルールが変更される可能性もありますが、現時点ではSPに関しては、3Aを持っている選手が有利であることは確かです。
3Aは日本の宮原選手や坂本選手といったトップクラスの選手たちも練習中です。
ぜひ彼女たちのトリプルアクセルも見てみたいですよね。