朝ドラ「スカーレット」のヒロイン川原喜美子には実在のモデルがいます。
それが信楽焼陶芸家の神山清子さんです。
朝ドラ「スカーレット」の川原喜美子のモデル神山清子とは?
NHK朝のテレビ小説「スカーレット」のヒロイン川原喜美子は、信楽初の女性陶芸家で、古来の技法・自然釉を蘇らせた匠です。
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そんな川原喜美子のモデルとなった実在の人物が神山清子さん。
神山清子さんは現在も、信楽の自らの陶房の穴窯(寸越)で自然釉の焼き物を制作しておられます。
神山清子さんの出身は長崎で、父親の仕事の関係で全国を転々とし、信楽にたどり着きました。
そして信楽で絵付けや陶芸を学び、女性初の陶芸家となりました。
ドラマ「スカーレット」では喜美子が女性であるがゆえに壁にぶち当たるシーンがいくつも描かれていますが、神山さんはそれ以上のひどい扱いを受けてきたようです。
それでも食らいついて自らの努力で周りを認めさせて来ました。
そこはドラマでも丁寧に描かれていますよね。
ドラマの同様に父親は血の気の多い人物で、母親はお嬢様育ちだったんだそうです。
実際の元夫は一個上の学校の先輩で、同じく陶芸家でしたが、女性ながらに自分よりも評価される妻・清子さんに嫉妬して八つ当たりするなど乱暴なところがあったようです。
また神山さんのお子さんは1男1女だそうです。
これ以降はドラマのストーリーのネタバレになりかねないので省略します。
神山清子の自然釉の焼き物が素晴らしく美しい
ドラマ「スカーレット」で描かれいる通り、神山清子さんを象徴するものといえば”自然釉”です。
自然釉とは?
自然釉とは釉薬を使わず、焼成中に穴窯の中の灰が器に掛かったり、土の中の石やガラス成分が溶けたりすることで自然の模様が付く技法です。
神山さんの方法ですと、2週間程度窯焚きを続けなければならないため、手間も費用も非常にかかるんだそうです。
まさにこだわりの職人技ですね。
そんな自然釉を用いた神山清子さんの作品をご覧ください。
一つ一つの作品、全て表情が違いますね。
ですがどの作品も、ひと目で神山清子さんの作品だと分かるほど圧倒的な存在感です。
ちなみにドラマの個展シーンなどに登場する川原喜美子の作品は神山清子さんご本人の作品を使用しているんだそうですよ。
見覚えがあると思ったらそう言うことだったんですね。
私は焼き物に関して無知のため、自然釉という物を初めて知ったのですが、一つの作品の中で釉薬を使わずに、これほどまでに多彩なカラーが生み出されるのに感動を覚えました。
どんなに美しく色付けされた器でも、大胆さと繊細さが融合するこの自然の美にはかなわないのではないでしょうか?
神山さんは信楽の土を使った自然釉は世界一だとおっしゃっています。
なるほど、この美しさを求めて、私財を投げ売り(父の所有する山も売ったそうです)、借金をした気持ちも分かります。私が神山さんなら行動に移せなかったと思うけど。
神山清子さんの魂でもある自然釉の焼き物をぜひ生で見てみたいものです。
神山清子の寸越窯は見学も可能
信楽にある神山清子さんの寸越窯は見学することが可能です。
敷地には作業場の他にも作品展示場や販売室が併設されているそうです。
現在は朝ドラブームで来訪者が多いかもしれませんが、場合によっては神山清子さんと会えたり、お話できるかもしれません。
<神山清子 寸越窯へのアクセス>
滋賀県甲賀市信楽町勅旨2202 (陶芸の森入口20m右側)
TEL: 0748-83-0259 FAX:0748-83-0259
不定休 ※見学には予約が必要です。必ずお電話ください。