中国の男子フィギュアスケートのエースと言えばボーヤン・ジン(金博洋)選手です。
元祖4回転の申し子として世に与えた衝撃は記憶に新しく、その後4回転激戦時代に突入してからも彼は世界中の多くのファンから愛されています。
そんなボーヤン・ジン選手の愛称といえば「天天」。その由来とは一体何なのでしょうか?
ボーヤン・ジンのニックネームは天天
今日の男子シングル4回転ジャンプ激戦時代のキッカケを作ったボーヤン・ジン選手。
シングルスケーターが弱いと言われていた中国に彗星のように現れ、
ジュニアグランプリファイナル優勝、
四大陸選手権優勝、
世界選手権銅メダル2回、
平昌オリンピック4位などなど輝かしい成績を修めていますね。
そんなボーヤン・ジン選手といえば「天天(ティエンティエン)」という愛称が中国のファンのみならず、日本のファンや世界のファンにも浸透しています。
試合会場では「天天」と書かれたバナーを目にする機会もあると思います。
ボーヤン・ジン(金博洋)のニックネームはなんで天天なの?
ボーヤン・ジン選手の「天天」という愛称は中国の「小名」という幼名なんです。
幼名とは幼い頃に呼ばれる別名のようなもので、
日本でも昔は身分の高い人たちの間で幼名が付けられていました。
例えば徳川家光の幼名は竹千代とか、豊臣秀吉の幼名が日吉丸とか。
中国にはこの文化が現在も続いており、
身分関係なく、ほぼすべての人に「小名」という幼名が存在しているんだそうです。
ちなみに現代の日本でも、風習ではないけれど両親が子供に名前とは別のニックネームを付けることありますよね。
個人的に好きなのが、スペインのレアル・マドリードの下部組織に所属している
サッカーU-15代表の中井卓大くんのあだ名「ピピ」ですね。
小さい頃にいつもピーピー泣いていたから名付けられたそうですが、
15歳になる中井くんは当然もうピーピー泣きませんが、
チームメイトやファンからもピピの愛称で親しまれていますし、ユニフォームの記名もPIPIです。
小名の一般的な付け方とは?
小名に対して正式な本名は「大名」というのですが、
大名は漢字の意味や易学などから総合的に判断してつけられることが大半のようです。
一方「小名」は親や家族が自由に付けられる名前です。
小名で一番多いのは同じ文字を重ねて発音するケース。
ボーヤン選手の「天天」もこれです。
名前の一文字を重ねたり、
響きがかわいらしい文字を並べたり(「芳芳」ファンファンとか)、
赤ちゃんの特徴を表す文字を並べたりします(丸くてカワイイから「 胖胖」パンパンとか)。
また同じ文字の重複だけではなく、果物の名前や花の名前など、愛着を感じる名前をつけることもあるみたいですよ。
ボーヤン・ジンの小名「天天」の由来とは?
ではボーヤン・ジン選手の小名「天天」の由来とはいったい??
天天の”天”の字はもともとボーヤン選手のお母さんが大名として名付けたかった名前なんだそうです。
というのも名字の金と天をあわせた「金天」という名前の発音が
”今日”とか”現在”という意味を表す「今天」という言葉と同じ発音だったから。
なるほど!「今を生きる」感が醸し出されている素敵な名前ですね。
ですが、これが大名となるとどこか間抜けな感じがするそうで結局本名は「金博洋」に。
そして小名を「天天」にすることにしたんだとか。
たしかに日本でも”本日さん”とか”現在さん”とかちょっと違和感ですよね。
天天はご両親と国民からの愛情が詰まった名前だった
通常小名は15歳ぐらいまでの愛称なんだそうです。
ですがボーヤン選手は多くのファンから天天と呼ばれています。
ちょっと幼い感じがしますが、それはファンからの愛情の証であるとも言えます。
これ、日本に置き換えて考えると分かりやすいと思うんですが、
日本でも若い頃から活躍していたアスリートを大人になっても愛称で呼ぶことありますよね。
浅田真央さんは今でも真央ちゃん、
田中将大投手はマー君、
谷亮子さんはヤワラちゃん。
それは若い頃から国民に愛され、
その後大人になっても国民から娘や妹弟のように見守られてきたということの証でしょう。
ボーヤン選手も10代半ばから国民の期待を一心に背負い、
そして国民に見守られながら戦ってきました。
それは成人した今でも変わりません。
だからこその「天天」なんです。
そしてその「天」の字には、彼がこの世に生まれたその日から、
ご両親の愛情がたくさん込められています。
ボーヤン選手を応援しているあなたも、
試合の時は愛情を込めて「天天加油(ジャーヨウ)」=天天ガンバ!とエールを送ってみては?