2020年四大陸フィギュアスケート選手権で優勝した羽生結弦選手は、男子シングル選手史上初のスーパースラムを達成しました。
ということで、スーパースラムとはどんな偉業なのか?そしてスーパースラムがいかにすごいことなのかについてのお話です。
羽生結弦が男子史上初のスーパースラム達成!
2020年四大陸フィギュアスケート選手権で優勝した羽生結弦選手は、フィギュアスケート主要国際大会制覇の”スーパースラム”を達成しました。
男子シングルでスーパースラムを達成したのは羽生結弦選手が初めてです。
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羽生結弦が成し遂げたスーパースラムとは?
フィギュアスケート界のスーパースラムとは、以下の国際大会をすべて制覇したということです。
<ジュニアの大会>
- ジュニア世界選手権
- ジュニアグランプリファイナル
<シニアの大会>
- 冬季オリンピック
- 世界選手権
- 四大陸選手権orヨーロッパ選手権
- グランプリファイナル
※四大陸選手権orヨーロッパ選手権についてですが、
これらの大会は国籍によって出場大会が異なるので、
どちらか一方ということになります。
過去のスーパースラム達成者
男子史上初めてのスーパースラムは羽生結弦選手ですが、女子では過去に二人のスーパースラム達成者がいます。
それは韓国のキム・ヨナさんと、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手です。
ちなみにオリンピックでは残念ながら金メダルが取れなかった日本のエースの浅田真央さん。
彼女も現役時代はたくさんのタイトルを獲得してきましたが、彼女の場合はグランドスラム達成ということになります。
フィギュアスケートのグランドスラムとは
浅田真央さんが達成したグランドスラムとは、
- 世界選手権
- グランプリファイナル
- 四大陸選手権orヨーロッパ選手権
この3つのシニアの国際大会のタイトルを獲得することです。
日本人では浅田真央さんと高橋大輔選手が達成しています。
フィギュアスケートのゴールデンスラムとは?
〇〇スラムはもう一つあります。
それがゴールデンスラムです。
ゴールデンスラムとは、
- オリンピック
- 世界選手権
- グランプリファイナル
- 四大陸選手権orヨーロッパ選手権
この4つのタイトルを獲得することです。
グランドスラム+オリンピック金メダルということですね。
この偉業は、羽生選手の憧れでもあるロシアの”皇帝”ことエフゲニー・プルシェンコさんと世界選手権3連覇のアレクセイ・ヤグディンさんが達成しています。
Embed from Getty Imagesこの二人はスーパースラムを獲得できるほどの実力者でしたが、
二人のジュニア時代にはまだジュニアグランプリがなかったため、
当時の完全制覇はゴールデンスラムになります。
スーパースラムを獲得することはいかいにスゴイことなのか?
Embed from Getty Imagesスーパースラム達成者の人数の少ないことからも
スーパースラムがいかに難しいのかはなんとなく分かると思いますが、
具体的になぜそんなに難しいのでしょうか?
それはジュニア、シニア通して最強でなければいけないからです。
フィギュアスケートはスポーツの中でもとりわけ体型の変化がコンディションに大きく影響する競技です。
いくら若齢期に才能があっても、
成長期の体型変化によって突然ジャンプが跳べない時期が来ることもあれば、
成長により筋力が増すことでこれまで全然跳べなかったジャンプが跳べるようになることも珍しくありません。
ですからジュニア時代に強かった選手が、シニアになっても優勝を争えるレベルで活躍できるケースはあまり多くないんです。
そんな中でジュニア、シニア通して頂点に立つわけです。
さらに言うと現役中に1、2回しかないオリンピックシーズンに選手としてのピークを迎えていなければいけないのです。
数学のことはよく分かりませんが、
この確率をデータ化するとすごくわずかな確率になるのではないでしょうか。
羽生選手はシニアデビュー9シーズン目にしてようやくスーパースラムを獲得しました。
スーパースラムはただ強いだけではダメで、長期に渡って強くあり続けなければ達成できない偉業であると言えます。
ザギトワ選手のようにオリンピックのタイミングが良ければ2、3シーズンで成し遂げられる場合もありますが、それは本当にラッキーなことです。
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スーパースラムは今後さらに難しくなる?
スーパースラムを成し遂げられる選手というのは紛れもなくフィギュアスケートの全歴史の中でもトップオブトップの選手です。
ですが、フィギュアスケート界全体の技術がみるみる進化している現代において、スーパースラムを達成るすることはこれまで以上に難しくなるかもしれません。
シニアのシングルスケートの場合ですと、いまは男子ならトップクラスの選手は4回転ジャンプを4,5本フリースケーティングに組み込みます。
女子ならトリプルアクセルか4回転ジャンプを複数組み込みます。
一昔前とは難易度が格段に違いますよね。
こういった高難度プログラムは完璧に滑れば圧勝できる可能性も高まりますが、失敗するリスクも増します。
そんな高難度のリスキーなプログラムを複数の選手が滑るわけですから
一つミスしても勝てるというような絶対的な勝者が、一昔前ほどは存在しなくなっているんです。
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もちろん能力的に圧倒している選手というのは存在しますが、
圧倒的に強い選手でさえも本番で必ず勝てるとは限らないし、優勝候補が総崩れしてダークホースが表彰台などという事例も増えているように感じます。
そう言う意味では今後さらにスーパースラムを達成するのは難しくなるのではないでしょうか?