スタジオジブリの映画「コクリコ坂から」の舞台でもある文化部部活棟”カルチェラタン”の意味(由来)をご紹介します。
「コクリコ坂から」に登場するカルチェラタンの意味と由来は?
スタジオジブリの映画「コクリコ坂から」の主要舞台の一つが港南学園の文化部部活棟”カルチェラタン”です。
歴史と思い出の詰まったカルチェラタンの取り壊し問題が物語の重要なテーマの一つとなっていますよね。
カルチェラタンの由来はパリ
カルチェラタンとはフランス・パリのセーヌ川左岸の5区と6区にまたがる学生街の地域の名称です。
カルチェ=地区、ラタン=ラテン語という意味で、つまりカルチェ・ラタン=ラテン語の地区ということになります。
学生街がなぜラテン語なのか?
フランス未統一時代、ラテン語というのはヨーロッパ圏の国際共通語であり、教養のある人が習得する言語でした。つまりラテン語を話す優秀な学生で溢れていた地区だったことからカルチェ・ラタンという名がついたそうです。
そのカルチェ・ラタンは昔から現在に至るまで名門教育機関が集中しているのですが、1960年代には反体制学生運動の中心地でもあったそうです。
カルチェラタンは学生運動の象徴
話を「コクリコ坂から」に戻します。
この映画の舞台は1963年頃。つまり一度目の東京オリンピックの前年の年です。
オリンピックが一つの転機となり日本全体が新たな幕開けの到来に湧いていたころであり、時代のうねりの中で学生運動が盛んに行われた時代でもあります。
主人公の海が通う港南学園においては新聞部部長の風間俊と生徒会長の水沼を中心とした制服廃止運動など学生の活動が盛んに行われていました。
そんな学園のなかで学生たちの活動の中心となる部活棟の存在はまさにフランスのカルチェ・ラタンであったことから同じ名が名付けられました。
カルチェラタンのモデルは実在する?
「コクリコ坂から」に登場するカルチェラタンは西洋風のモダンで美しい木造建築です。
このカルチェラタンのモデルではないか?と言われている建物がいくつかあります。
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①外交官の家(神奈川県)
<外交官の家>
〒231-0862
神奈川県横浜市中区山手町16 山手イタリア山庭園内
②旧西田川郡役所(山形県)
<旧西田川郡役所>
鶴岡市家中新町10-18 (致道博物館内)
③山手資料館(神奈川県)
<山手資料館>
〒231-0862
神奈川県横浜市中区山手町247(山手十番館庭内)
④信州大学農学部中原寮(長野県)
建物自体がモデルになっているわけではありませんが、学生たちが生活する様子がモデルになっているとのこと。
<信州大学農学部中原寮>
上伊那郡南箕輪村8304
⑤三鷹の森ジブリ美術館(東京都)
本日21:00からの金曜ロードSHOW!は「コクリコ坂から」を放送します。作品には文科系クラブハウス”カルチェラタン”が登場しますが、初代館長でもある吾朗監督は、この建物について「ジブリ美術館と疑洋風建築を組み合わせて具体化していった」と取材で答えていました。ぜひご覧ください。 pic.twitter.com/q3HsQoJM2L
— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) August 21, 2020
宮崎吾朗監督によると「ジブリ美術館と疑洋風建築を組み合わせて具体化していった」そうです。
<三鷹の森ジブリ美術館>
〒181-0013
東京都三鷹市下連雀1丁目1番83号
カルチェラタンは複数の建物のイメージを合体させた空想の建物
宮崎吾朗監督のコメントにもあるように、カルチェラタンは上に紹介したいずれかの建物の一つがモデルになっているというわけではありません。
ジブリ美術館の内装と、いくつもの西洋風の館のイメージをミックスしてカルチェラタンが生まれた建物ということです。
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