最近スーパーでもよく見かけるようなった茶色いエノキ茸(ブラウンえのき)。
シャキシャキとした食感と旨味がおいしいきのこですが、茶色エノキと定番の白色エノキは何がどのように異なるのでしょうか?
茶色エノキ(ブラウンえのき)が美味しい
数年前からスーパーでも見かけるようになった茶色のエノキ茸。”ブラウンえのき”や”旨味えのき””本えのき”などの名称で販売されています。
茶色いエノキは白色のおなじみのエノキと同じようにカサが小さく、軸がスーッと細長い形状をしています。
食感は白色エノキよりもさらにシャキシャキとした歯ごたえで、味も白色のものよりも濃い印象。
スーパーで販売されているものに関しては白色エノキと価格も大差なく、お手軽に手に入れる事ができます(白色エノキよりも割高のものもあります)。
値段も味も白エノキを上回る茶色エノキですが、加熱すると他の食材に色がうつってしまうのが残念ポイント。
見た目では白エノキに劣ってしまいますが、きのこの旨味を楽しめつつ、きのこが苦手な人でも食べられる丁度いい風味が茶色いエノキの魅力です。
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茶色いエノキは日光で野生栽培?!ブラウンえのきと栽培法の違いは?
茶色いエノキと白色エノキの栽培法には違いがあるのでしょうか?
まず、白色のエノキの栽培法についてですが、白エノキは低温の室内でひと株ずつ瓶に植えて栽培されています。
一年中室温を管理された完全人工栽培のため、年中安定供給が可能です。
では茶色いエノキの栽培方法はどのようなものでしょうか?
同じ白いものと色付きのものがある食べ物といえばアスパラガスを思い出します。
アスパラガスは普通に育てるとグリーンですが、遮光環境下で栽培することによりホワイトアスパラが生産できます。
ということは茶色いエノキも日光を浴びて育った白いエノキなのでしょうか?
答えは一部正解です。
もともとのエノキ茸は野生種で、このような形状をしています。
私たちがよく知るエノキと比べてカサがずいぶん大きいですね。スーパーなどで手に入る茶色いエノキとは別物のよう。
エノキと言うよりもなめこみたいだなぁと思ったのですが、実はエノキとなめこは同じキノコなんだそうです(加熱してヌルヌルしたものがなめこ)。
そしてスーパーの茶色いエノキはといと、白色エノキにたくさんの日光を当てて栽培したというわけではありません。白色エノキに、茶色の野生種のエノキを交配させたミックス種なんです。
なので、旨味や色味は野生種から受け継ぎ、形は白エノキから受け継いでいるわけですね。
そして茶色エノキも白色エノキと同じような栽培方法で生産するようです。
本来、野生のエノキは食材への色移りが気になることから、品種改良を重ねて白色エノキが生まれたそうでが、その後に人々は旨味と食感を求めて色移りする茶色エノキを開発したなんておもしろい話ですよね。
茶色エノキは白色エノキより栄養豊富
エノキは食物繊維や美容効果、アンチエイジング効果のあるビタミンB群が豊富に含まれてる食材です。そして茶色いエノキは白エノキと比べて3倍の量のアミノ酸が含まれているんだそうです(参照)。
アミノ酸はタンパク質を構成する成分であり、私たちが生きていくために欠かせないものです。それと同時にアミノ酸は旨味の正体でもあります(エノキの旨味成分は「グアニル酸」「アスパラギン酸」「グルタミン酸」など)。
つまりアミノ酸の多い茶色いエノキは美味しく、美容と健康に役立つ優秀な食材であると言えますね。
茶色エノキをもっと美味しく食べたいなら
エノキ特有のシャキシャキ食感と旨味をアップさせるのにオススメなのが干しエノキです。
エノキを干すことで、水分が飛び旨味が凝縮され栄養価もアップ、さらには食感もアップします。
作り方は簡単。
バラバラにほぐしたエノキを晴れた日の屋外で一日、干し網で乾燥させるだけ。
(干し網は100均やホームセンターなどでも入手できます。)
とはいえ、ズボラな私はそれすらちょっとおっくう…
ということでもっと簡単なのが冷凍エノキです。
冷凍でも水分が抜けて、栄養価や旨味をアップさせることができます。
食感は干しエノキには劣りますが、生のまま調理するよりも旨味が格段にアップしますよ。
冷凍エノキは超簡単です。
買ってきたエノキを冷蔵庫ではなく冷凍庫に入れて保管するだけ。
調理する10~20分前に冷凍庫から出しておけば適度に解凍されるので石づき部分も包丁で切ることができます。
そして解凍しなくてもそのまま調理に使えるので便利ですよ。
干しエノキ、冷凍エノキは生エノキに比べて美味しさが段違いです。
まだ試したことない方はぜひチャレンジしてみてくださいね。