徳島県では大規模なアニメイベントやコスプレイベントが毎年開催されています。徳島県といえば、関西と近いとはいえ、四国なので交通の便の良い県とはいません。しかし、徳島ではなぜアニメ文化が盛んなのでしょうか?
毎年開催される徳島の大規模アニメイベント「マチ★アソビ」
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— モデルナアーマータケ (@tyageuchi) October 8, 2017
スゴい数のサーヴァントで過去最高ではないでしょうか
50枚ほど撮ったのでコスプレの方お送りします
分けても撮ってます pic.twitter.com/e9wAiBTfuS
徳島では年に2回、GWと10月に盛大なアニメ・ゲームに関連するイベント「マチ★アソビ」が開催されます。2020年以降はコロナ禍の影響で大規模なイベントの開催は中止を余儀なくされていますが、例年であれば、県内外から8万人程度の来場者が訪れています。
「マチ★アソビ」では、イベント期間中、徳島市内のイベントスペースや観光地などでアニメやゲームに関するさまざまなイベントが行われます。人気声優や業界関係者のトークショーやミュージシャンのライブ、コスプレイベント、痛車展示、スタンプラリー、アニメアワードなど、アニメ・ゲームファンにとってはたまらないイベントの目白押しです。
2018年と19年にはマチ★アソビが「日本のアニメ聖地88」に選出されました。
また、マチ★アソビ開催期間の他にも街ではいろいろなアニメ・ゲームイベントが行われています。ヒーローショーや往年の人気アニソンのライブといったライトなアニメファンも楽しめる「ぷち★アソビ」は地元のファミリー層に評判のイベントです。
徳島でアニメ・ゲームイベント(コスプレイベント)が盛んな理由はufotable
首都圏でもなく、関西の商業圏でもなく、なぜ徳島という地方の街で、コスプレを始めとするアニメ・ゲームイベントが盛んなのでしょうか?
その理由は「ufotable(ユーフォーテーブル)」です。
ufotableというのは日本でも指折りのアニメ制作会社です。アニメに詳しくない人でも「鬼滅の刃」のアニメが社会現象になったことはおそらくご存知でしょうが、そのアニメ版鬼滅の刃の制作を手掛けているのがufotableなんです。
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そのufotableの代表である近藤光氏は、徳島出身であり、その縁と「普段、目でみたものや接したものが画面に現れる。そのため、東京とは違う良い環境でアニメをつくりたい」という思いから、ufotableは2009年に徳島にスタジオ「ufotable TOKUSHIMA」を開設しました。
その後、ufotableは町おこしの一貫として、「デジタルクリエイター養成塾」の開催、ふるさと納税における徳島市とのパートナー提携、徳島エリアでの自社制作アニメのテレビ放送等々を行ってきましたが、その一環として始まったのが「マチ★アソビ」だったのです。
マチ★アソビではシャッター商店街の空き店舗を活用したり、交通機関(バスやタクシー)にアニメラッピングを施したりというように、イベント運営者に対してだけでなく、街全体にお金が落ちるようなあらゆる仕掛けが施されています。
その成果として、2017年秋の回のマチ★アソビでは徳島県内へ約7億3000万円の経済波及効果を生み出したとのことです。
このマチ★アソビの定着と規模の拡大を経て、徳島=アニメ・コスプレの聖地という認識が確立されたんですね。
コスプレの街化は徳島とアニメ業界双方にメリット
前述の通り、町おこしの一貫として始まったアニメイベントが徳島へ利益を生み出しました。徳島という非都市圏でアニメイベントを開催するということは、都市圏のイベントにはなかなか参加できなかった人も呼び込むことができるという意味で主催者側にもメリットはありますよね。そして、地方の中規模の街でもこれほどまでに大きなイベントを成功させられることが実証されたということは、今後のアニメビジネスの可能性の広がりも意味するのではないでしょうか。
またインバウンド効果という意味でも日本の経済にも多少なりともメリットをもたらしているはずです(今はコロナで厳しいですが)。徳島のアニメコスプレの街化はアニメファンやアニメ業界のみならず、地元経済や間接的には日本経済にも良い影響を与えているのですね。