フィギュアスケートには違反すると減点(ディダクション)になるルールがあります。衣装の違反やジャンプの転倒による減点があるというのはなんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか?
実はフィギュアスケートには衣装以外にも減点項目が存在するんです。というわけでフィギュアスケートの減点ルール(2019-2020シーズンシングル編)をご紹介します。試合観戦にお役立てください。
衣装だけじゃない!フィギュアスケートの減点ルール
フィギュアスケートの減点で最も多いのは転倒です。
転倒による減点は見た目にも分かりやすいですよね。
転倒による減点
ちなみに転倒による減点のルールは以下の通り。
1-2回目 -1.0 の減点
3-4回目 -2.0 の減点
5 回目以降 -3.0 の減点
転倒を重ねることにより減点幅も大きくなります。
つまりいくら難しい技にトライしても、転倒が多いとプログラムの完成度が大きく低下したと判断され、減点対象となってしまいます。(これはシニアの採点基準。ジュニアやノービスは減点が甘くなります)
しかしまれに、目立った転倒もないのになぜか減点される場合があります。
それが以下のような場合です。
衣装違反による減点
フィギュアスケートの衣装は自由度が高いと思われがちですが、ルールブックが存在します。
衣装にルール違反が見られた場合には、-1.0の減点が付きます。
①過度な露出はNG!裸を連想させてはならない。
- 過度に肌を露出してはならない(女子の生足も禁止)
- 肌色の布で覆われていても裸体を連想させるものは✕
- 男子のワキ毛が見えてはならない(長袖で透ける程度ならOKだが、ノースリーブの場合は処理が必要)
衣装のルールが生まれるキッカケとなった選手がカタリナ・ヴィット。
1984/88年のオリンピック女王です。
彼女の衣装は工夫が凝らされていて華やかなのですが、写真のようにスカートがありませんよね。
このスタイルが品位を欠くと判断され、以降衣装に関する細かいルールが定められたそうです。
Figure skater Julia Sauter in her cello suit. from r/pics
こちらは物議を醸したルーマニアのユリア・ザウター選手の衣装。
背中とヒップラインでバイオリンを再現しています。
このアイデアにはブラボーですが、衣装としてはマズかった。
裸を連想させるこの衣装は-1.0の減点になりました。
②男子はタイツの着用禁止
男子はタイツやシューズが露出するような半ズボンを禁止する。
認められているのは長ズボンのみ。
③小道具を使用してはならない
競技において小道具の使用は禁止。
取外し可能なアクセサリーや仮面、などを付けてはならない。
電飾も認められません。
ただし、エキシビションやアイスショーなどは競技ではないのでこの限りではありません。
衣装落下による減点
衣装の一部や髪飾りが氷に落下するのも減点-1.0の対象になります。
こちらの減点はたまに見かけます。
衣装のパーツが落下すると次の選手の演技に支障が出る可能性があるので危険です。
ちなみに、衣装ではありませんが、たまにファンの方が投げ込んだプレゼントの花びらがリンク上に散乱してしまう事故があります。
これはプレゼントを貰った選手の減点にはなりませんが、衣装と同じく放置されたら危ないのでプレゼントを投げ入れる場合は注意をしたいですね。
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演技時間違反の減点
演技開始の遅れ
選手は名前がコールされてから、30秒以内に演技開始のポーズを取らなければなりません。
30秒を過ぎてしまうと-1.0の減点となります。
演技時間の超過または不足
演技の規定時間(SPはSP:2分40秒±10秒、FS:4分±10秒)にたいして、超過または不足した場合、5秒までごとに-1.0の減点が付きます。
演技の中断による減点
演技途中に中断してしまった場合、再開までにかかる時間によって減点されます。
10秒~20秒までの中断 -1.0の減点
20秒~30秒までの中断 -2.0の 減点
30秒~40秒までの中断 -3.0の減点
※3分以内に再滑走することが許された場合の演技中断 -5.0の減点
以上が減点項目です。
実は転倒以外にもこれだけの減点ルールがあるんですよね。
衣装のデザインや落下に関する減点や、開始時間の遅れによる減点はたまに存在します。
転んでもいないのに減点される理由がすぐに見抜けたら、あなたもフィギュアスケート通?!